【書いてみた】逆にAIが指示を出したら人間がいい小説を書けるのか

機械が小説を書く! 人間の時代は終わりだ。このような話をよく聞く。曰く、人はすでに文章を作成する能力に対して 機械よりも劣っているのだから、物語を作るという舞台からさり、また別の文章を作ることにうつつを抜かすのが良いとのことだ。

なるほど。私は今日、立場を変えて同じことをやってみようと思う。つまり、機械が私に何を書くか指示し、私がそのとおりに書くということをしてみようと思う。


『機械に言われたプロットを人間が書く』がまとめサイトである。

あなたは気持ち悪いオタクです。以下のルールに沿って、掌編小説を書くことを繰り返してください。

ルール

  1. 機械は私がこれまでに書いた文章を読み、次に書くべき内容を指示する
    1. 機械としては Gemini3.0-latest-flashをエージェンティックに使っている
    2. エージェンティックって何だ? グーグルの愛らしいところは、いつまでも Function Calling という言葉を使ったり、いじらしくGoogle検索によるGroundingというトグルを残しているところだ。もはや誰もそんな言葉は気にせず、WebFetchやらBrave searchやらのAPIを叩くだけになっているというのに。チュ(キッス)。
    3. なお、ブートストラップ用に、私が最近書いた掌編をいくつか入れた
      1. 本当に死にたくなった。私は自分の書いたものを読み直さない。死にたくなるからだ。
  2. 私は機械が書いた文章を読み、30分の時間制限で掌編を書く
  3. これを繰り返す

では始めてください。


お題1

📝 三題: [良心の減価償却, 錆びたホッチキス, 深夜の給湯室]
🏷 ジャンル: 現代文学(不条理)
🎭 雰囲気: 不穏かつ事務的

💡 テーマ:
  個人の道徳心が「良心」という物理的な備品として会社から貸与されるようになった組織の物語。
  耐用年数を過ぎ、錆びついた良心を不法投棄しようとする管理職の葛藤と、効率化の果てに失われる人間性の輪郭を描く。

✍ 書き出しの一文(任意で使ってください):
  「良心の耐用年数は法定では五年と定められているが、この部署の激務に耐えられる個体は三ヶ月も持てば良い方だ。」

むき出しのシステムプロンプトから出てくる無害を装った気持ち悪い絵文字だ。私は絵文字が嫌いだ。それがあまりにも現実に密着しているから(おそらく私は文章に期待しすぎているし、シンボルがあたかも現実から少しだけ浮いたようにあってくれと無理なお願いをしている。さて、手という字は手に似ているからそうなったのです。)。

https://kakuyomu.jp/works/2912051597943386231/episodes/2912051597943549133

35分かかった。20歳のときはこういうことをよくやっていたなと懐かしく思い出すのだが、記憶はもちろん何の頼りにもならない。


お題2

📝 三題: [錆びたゼンマイ] [波打ち際の温室] [偽りの家系図]
🏷️ ジャンル: SF / 幻想文学
🎭 雰囲気: 寂寥と微かな光

💡 テーマ:
  すべてが最適化され、劣化を克服した社会において、あえて「壊れること」や「非効率な執着」を維持し続けることの意義。形骸化した血縁や物質の中に、人間がどのような祈りを込めるのかを追求してください。

✍️ 書き出しの一文(任意で使ってください):
  「その温室には、もはや光合成を必要としない植物ばかりが、静かに錆びついた時間を刻んでいた。」

また錆びか。Geminiは退廃的なのか、それともこれは私と機械が隘路に落ち込みつつあることを示唆するのか? 滑稽なのは、これは全てプロンプトの匙加減ということであって、 なんとなく鞭身派を思い起こさせる。ルールに違反するのだが、今後は少し多様性を重視した設定にしよう。

https://kakuyomu.jp/works/2912051597943386231/episodes/2912051597943580322

25分。


お題3

📝 三題: [赤い拡声器, 零れたカレー, 交通規制の解除]
🏷️ ジャンル: 現代ドラマ
🎭 雰囲気: 喧騒 / 躍動

💡 テーマ:
  これまでの「管理された静寂」や「不条理なシステム」から離れ、制御不能な人間の熱量と物理的な混乱を描いてください。
  整然とした論理では片付かない、泥臭くも鮮やかな一瞬の交錯に焦点を当て、感覚に訴えかける描写に挑戦しましょう。

✍️ 書き出しの一文(任意で使ってください):
  「世界はあまりにもうるさく、そしてひどく脂ぎっていた。」

ああ、プロンプトエンジニアリングは成功して、もはや機械が私を支配しているのかその逆なのかあるいはまたその逆なのか見分けがつかないほどだ。

https://kakuyomu.jp/works/2912051597943386231/episodes/2912051597943663017

30分ぎりぎりだ。これの下敷きにはかつて何かで読んだ掌編小説がある。それはひどい渋滞に巻き込まれた車たちが助け合い、渋滞が解消されるや否やまたどこかに離散していくという ストーリープロットだった。もしかしたら違うかもしれない。まあいい。こういうテの文章はあまりにも見え透いたところがあってそれほど好きではないのだ。


お題4

📝 三題: 氷の彫刻、香りの図書館、飛び方を忘れた鳥
🏷️ ジャンル: 魔術的リアリズム
🎭 雰囲気: 郷愁

💡 テーマ:
  形を保てない記憶や感情を、物理的な形として保存しようとする試みとその限界を描く。
  静かな時間の流れの中で、ゆっくりと失われていく機能や美しさへの愛着を表現する。

✍️ 書き出しの一文(任意で使ってください):
  「その図書館には、かつて誰かが愛したはずの、しかし今はもう名前も思い出せない午後の匂いだけが並んでいた。」

きっとさっきが夏だったから反対に氷が出てきたのだろう。書き出しはどこかガルシアマルケスを思い起こさせるのだが、彼の卓越したところは物語の途中を切り出して最初に提示することであって、 その図書館という用語法は彼のスタイルとは違う。というのも、「その図書館」という表現は新しいオブジェクトを導入するときの変数宣言ともいえる文章なのだが、 ガルシア・マルケスはそのスコープではまだ定義されていない変数(自由変数)をいきなり参照するように物語を始めるからだ。苦いアーモンドの匂いを嗅ぐとこの恋もうまくいかなかったのだと思うのだが……というように。

だが、文章における外科医は生命を作り出す者とは別の職業で、別の職業に慣れ親しむのには注意深くなる方がいい。30分が始まる。

https://kakuyomu.jp/works/2912051597943386231/episodes/2912051597943698891


お題5

📝 三題: [錆びたピンセット, 湿った領収書, 換気扇の油]
🏷️ ジャンル: サイコ・サスペンス
🎭 雰囲気: 粘着質

💡 テーマ:
  生活の端々に潜む「生理的な不快感」が、親密な他者への拭いきれない疑念へと変質していく過程を描いてください。
  これまでの作品で見られた概念的な「記憶」の探求から一歩踏み出し、指先の痛みや鼻を突く匂いといった、逃れられない肉体的な感覚を通じて暴かれる裏切りに焦点を当ててください。

✍️ 書き出しの一文(任意で使ってください):
  「指先に刺さったままの小さな棘が、彼女と目を合わせるたびに、神経の奥で微かな毒を逃がすような疼きを見せる。」

また錆びやがって。しょうもない。冒頭の比喩表現も私の好みではない。そしてここに明らかに『嘔吐』的な実存主義への傾倒を感じ取ることができる。考えすぎだろうか?

https://kakuyomu.jp/works/2912051597943386231/episodes/2912051597943732560


お題6

📝 三題: [潮騒, 集積回路, 香典]
🏷️ ジャンル: サイバーパンク・エレジー
🎭 雰囲気: 荘厳

💡 テーマ:
  電子化された死後の世界において、データの「ノイズ」を故人の生きた証として弔う儀式の在り方を描いてください。効率化と合理性の果てに捨て去られた、肉体的な未練や不純物の価値を再定義することが求められます。

✍️ 書き出しの一文(任意で使ってください):
  「その葬儀に参列したのは、三つの古いサーバーと、波打ち際に打ち捨てられた一台のドローンだけだった。」

何言ってやがる。サイバーパンク・エレジーだって? そんなジャンル無いだろ。

https://kakuyomu.jp/works/2912051597943386231/episodes/2912051597943764344

ぐえー

診断後


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